最近話題の『オムニチャネル戦略』を、Eコマース担当者の視点で考えてみました!

 

最近よく耳にする『オムニチャネル戦略』ですが、本日は少し趣向を変えて、「Eコマース事業の担当者」になりきり、その視点からオムニチャネル戦略を考えてみたいと思います。

◆マルチチャネルとオムニチャネル

オムニチャネルの定義は色々ありますが、簡単に言えば、「実店舗、カタログ通販、インターネット等、あらゆる顧客接点を連携させて販売に繋げる考え方や施策」と表現できると思います。ただ、この視点だと、従来からあった「マルチチャネル戦略」とどう違うのか?という疑問が湧いてきます。

「マルチチャネル」と「オムニチャネル」、複数のチャネル(顧客接点)を管理するという点では同じなのですが、実はチャネルの先の顧客への向き合い方に違いがあります。

image2簡単に言うと、マルチチャネルは、「複数のチャネルを顧客(ターゲット)に合わせて使い分ける」という考え方になります。(例えば、高齢者向けには実店舗で、若年層向けの商品はネットで販売、といったように、ターゲットの適正に合わせてチャネルを使い分けるという考え方。)

 

image3一方、オムニチャネルは、「顧客を中心に複数のチャネルを連携する」という考え方になります。1人1人の顧客にフォーカスし、認知⇒検討⇒購買に至る一連のプロセスにおいて、あらゆるチャネルを通してアプローチしていくという考え方になります。

 

 

Eコマースの非常に簡単な例で言えば、あるユーザの「会社の休憩時間にPCで商品を見つけ⇒帰宅中にスマホで商品を吟味⇒帰宅して家のPCで商品を購入」の一連のプロセスにおいて、デバイスを跨った一連のアプローチを実現するということになります。

これらを踏まえ本エントリーでは、オムニチャネル戦略を、「複数のチャネル(顧客接点)を横断して、各々の顧客に一貫した利便性の高いエクスペリエンスを提供するための戦略」と捉え、戦略を実践するためのポイントを解説致します。

◆デバイス・ポータビリティの実現

Eコマースの観点から考えると(注:本エントリーではEコマース担当者になりきってます。。。)、特定のデバイスからしかアクセスしないというユーザは、スマートデバイスが普及した昨今ではほぼいないと考えた方がよいでしょう。
PC、タブレット、スマートフォン等、ユーザはこれらのデバイスを時と場合に応じて使い分け、Eコマースサイト(自社メディア)にアクセスしてきます。

オムニチャネル戦略を実践するには、どんなデバイスにおいてもユーザ本人を識別する仕組み、即ち「統一のユーザアカウント(DB)」「認証(会員登録、ログイン)」の機能が必要です。
(※物品を取り扱うEコマースでは、上記以外にも在庫情報の集約等も必要になりますね。)

いずれにしても、オムニチャネル戦略を検討する上で、必要な情報が適度に集約され、情報へのアクセスが適切に整備されているかを検討する事が、何よりも重要な(そして、労力やコストがかかる。。)ポイントであると思います。

◆認証時の利便性

さて、デバイスを跨りユーザを迎え入れる(デバイス・ポータビリティ)の準備が整いました。
次に問題となるのは会員の獲得です。「どうやって会員を増やすか?ログインをしてもらうか?」、こういったことを検討する必要がありますね。
大規模な(入会)キャンペーンを打つ、広告を出す、等のアイデアもあると思いますが、ここでは仕組みの観点から以下のポイントを考えたいと思います。

1.本当に登録してもらいたい情報は何か?

会員登録時に多くの情報の入力を求めるサイトを見ると、「こんなに多くの情報を聞き出して何するつもりなんだろう?」、「情報漏えいしたら怖いよね。。」など、ついつい登録を敬遠してしまいますね。
(この点については、あの堀江さんもブログで書いてらっしゃいますね。。)

ユーザに登録してもらいたい、本当に必要で最小限の情報は何か?
物品の配送を伴うEコマースであれば、住所の詳細情報までは必要になりますし、必然的に登録時に要求する項目は多くなってしまいます。しかし、これも考え方次第かと思います。

オムニチャネルの基本は、「購買プロセスへの一連のアプローチ」です。何も、詳細な住所情報まで最初に要求する必要は必ずしもありません。(最初から購買意欲の高いユーザはそうそういない。)
簡単な会員登録で敷居を下げ、まずは会員になってもらいEコマースサイトで色々見てもらう。場合によっては問合せをしてもらう。そしていよいよ購入という段階になった時点で更に詳細な情報を提供してもらう。

このように、「ユーザの利便性を最優先に考え、ユーザのステージ(購入プロセスの進捗度合い)に合わせてアプローチ方法を変える」といった姿勢が重要と考えます。

2.ソーシャルログインの活用

ユーザの利便性を考える上で、「ソーシャルログイン」は積極的に活用したい機能です。

ソーシャルログインは、会員登録やログインの際にユーザの好きなソーシャルアカウント(Facebook、Google+等)を活用できる機能です。会員登録時に、ソーシャルアカウントで既に登録されている情報(氏名、住所、Eメールアドレス等)を取得して入力フォームにプリセットすることで登録負荷を軽減したり、会員登録以降はソーシャルアカウントのID/PWでログインできたり、ユーザの利便性を高めるために打ってつけの機能です。
(※ソーシャル・ログインについてはこちらもご参照ください。)

特にモバイル(スマートフォン)では、操作性の観点からもソーシャルログインは非常に高い効果を発揮します。
Facebook社によると、Facebookログインを実装したモバイルアプリ(iOS、Android)では、ユーザのログインが積極的(ログイン率:80%)に行われているとあります。(詳細はこちら

また、全世界で700社以上に導入されているソーシャル化プラットフォーム:GIGYAでは、ソーシャルログインを利用している全クライアントにおいて新規会員登録率が平均で33%上昇するという効果も出ています。

ユーザ認証時の利便性という観点で、ソーシャルログインの活用は是非とも検討したいポイントですね。

◆ユーザはいつ購入してくれるのか??

実は、USで興味深い調査結果があります。
実に多くのユーザはカートの途中で離脱します。もちろん操作性の悪さが理由として多いのですが、それ以外にも、「今買いたい訳ではなく、配送料を含めた総費用を調べたいのでカートに仮で入れる」(57%)、「後で検討するため買い物リストとしてカートに入れる」(56%)といった理由も上がっています。(eMarketerより)

とりあえずカートに入れておき、比較・検討というプロセスに入っている訳ですね。
オムニチャネル戦略の観点では、こういったプロセスにいるユーザ(大抵はEコマースサイト(自社メディア)から離れている状況)にも効果的にアプローチしたいところです。

ここでは、こういった際のアプローチ方法として以下の2つをご紹介したいと思います。

1.ターゲティングEメールでのアプローチ

USのラグジュアリー・ブランドの「Kate Spade」では、カートの途中で離脱したユーザを検知し、一定時間経過後にディスカウントコードを記載したEメールをユーザに送信し、購入を後押しするというアプローチを実現しています。
単に「カート離脱⇒即配信」といった単純なロジックではなく、恐らくこれまでの購入頻度や嗜好情報等も加味した複雑なロジックを経ていると思いますが、なかなか興味深いアプローチだと思います。

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2.カスタムオーディエンスによるアプローチ

Facebookが提供するカスタムオーディエンス(データカスタムオーディエンス)も、なかなか有効なアプローチかと思います。

保持しているユーザ情報(メールアドレス、電話番号、ID)でFacebook上のユーザを特定し、Facebook上での広告によるアプローチができます。例えば、先のKate Spadeのように、カート離脱を検知できたユーザのメールアドレス情報でFacebook上でセグメントし、該当ユーザがFacebook上にいる時にEコマースサイトへ誘導するような広告を打つ事ができる訳ですね。

また、「認証時の利便性」でお話ししたソーシャルログインを活用していると、このカスタムオーディエンスにとても便利です。例えばFacebookアカウントでのソーシャルログインを提供しいると、ユーザのFacebook上でのIDやメールアドレスが取得できます。このIDやメールアドレスをカスタムオーディエンスに利用すれば、精度の高いターゲティングが実現できる訳です。
この観点からも、ソーシャルログインの活用はぜひ検討しておきたいですね。

◆まとめ

長くなってしまいましたが、オムニチャネル戦略、即ち「複数のチャネルで一貫してユーザに利便性の高いアプローチを実現する」上では、どんなチャネル(接点)にいてもユーザ本人をしっかり特定することが非常に重要になります。

ユーザを特定するにはログイン等、ユーザの操作に依存することから、何よりもユーザの各チャネル上での操作性(ユーザエクスペリエンス)を最優先に考え、ユーザのチャネル上での行動を把握し、最適なタイミングで最適なアプローチを行い長期に渡る良好な関係性を構築していくことが、成功への近道ではないかと思います。

本エントリーが、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

本件に関するお問合せなど、お気軽にご連絡くださいませ。
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ソーシャルログインに関する詳しい情報は、こちらよりお願いいたします。